働き方改革法のうち現在審議がなされている「高度プロフェッショナル制度」について、対象業務(案)が示されましたのでその内容をご紹介します。

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高度プロフェッショナル制度とは

時間ではなく成果で評価される働き方を希望する労働者のニーズに応えるため、一定の年収要件を満たし、職務の範囲が明確で高度な職業能力を有する労働者を対象として、長時間労働を防止するための措置を講じつつ、時間外・休日・深夜の割増賃金の支払義務の適用を除外した労働時間制度で、今回の改正により新設されたものです。

対象となる業務(素案)

高度プロフェッショナル制度の対象となる業務は、労働基準法施行規則で定められる予定ですが、2018年11月14日の労働政策審議会で5つの対象となる業務(案)が示されました。
その内容は下記の通りです。

1.金融商品の開発業務

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2.金融商品のディーリング業務

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3.アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)

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4.コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)

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5.研究開発業務

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当該制度の対象者に対しては、深夜割増を含めた一切の割増賃金を支払う必要がありませんが、導入にあたっては、年収要件(1,075万円を参考に現在審議中)や、労使委員会での決議や本人同意などの手続き、健康管理時間の把握などが求められますので、今後確定する法令の内容を踏まえて準備が必要になります。

執筆陣紹介

■岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー、退職金制度構築支援等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「企業再編・組織再編実践入門」(共著/日本実業出版社)、「まるわかり労務コンプライアンス」(共著/労務行政)他。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。