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先週、内閣府より公開された「平成30年版 少子化社会対策白書」によると、2017年の日本の総人口は、下表の通り1億2,671万人で、生産活動の中核となる生産年齢人口(15~64歳)が占める割合は60%となっています。

■2017年の総人口等

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同白書では、2065年までの総人口等の推移と見通しが示されていますが、総人口は年々減少を続け、2053年には1億人を割り込み、2065年には8,088万人になることが推計されており、これは現在の70%程度になります。また、生産年齢人口(15~64歳)も年々減少し、2065年には4,529万人となる見通しで、総人口に占める割合は50%強になる計算となります。

一方で、高齢者人口は2040年代をピークに増加し続け、以降減少するものの、その割合は年々増加し続け、2065年には総人口に占める割合が40%弱になる計算となります。

■総人口等の推移と見通し

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上記の2020年以降はあくまで推計であり、出生率の上昇等によって結果は変動しますが、総人口の減少、生産年齢人口の割合減少、高齢者人口の割合増加という大きな傾向は変わらないことが想定されます。
これらの見通しを前提に、労働力を増やすためには、生産年齢人口のうち専業主婦等の働いていない者や65歳以上の者の就業人数を増やすことなどが考えられます。また、就業人数を増やすのではなく、生産効率をあげてこれまで以上のパフォーマンスを発揮する対応もあるでしょう。

すでに、定年を70歳に引き上げたり、再雇用制度の年齢制限を撤廃する等の65歳以上の就業人数の増加につながる動きがありますが、今回確認した総人口の大きな推移を踏まえて、事業を継続し発展させていくために必要な取り組みを中長期的な視点で検討し、早めに着手する必要があると考えます。

執筆陣紹介

■岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー、退職金制度構築支援等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「企業再編・組織再編実践入門」(共著/日本実業出版社)、「まるわかり労務コンプライアンス」(共著/労務行政)他。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。