令和2年3月期の決算が近づいてきました。今回のコラムでは有価証券報告書の記述情報の拡充について取り上げます。

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1.概要

内閣府令の改正により、平成31年3月期の有価証券報告書から記述情報の拡充が図られており、令和2年3月期においてより記載内容が拡充されることになります。

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平成31年3月期はガバナンス情報の拡充項目について内閣府令の改正が適用されていましたが、令和2年3月期は記述情報の充実項目と監査関係の情報の拡充項目が適用されることとなります。

2.記述情報の開示の好事例集

金融庁はルールへの形式的な対応にとどまらない開示の充実に向けた企業の取組みを促し、開示の充実を図ることを目的として「記述情報の開示の好事例集」を公表しています。
本事例集は投資家、アナリスト及び企業で実務に携わる方々による勉強会を開催して更新されており、今回の改正項目を検討するにあたり大変参考になるものと考えられます。

記述情報の開示の好事例集: https://www.fsa.go.jp/news/r1/singi/20191220.html

3.さいごに

有価証券報告書の記述情報は、投資家が経営者の視点から企業を理解し、将来の業績予測に資するために財務情報を補完するものとして重要であると考えられています。これらの記述を充実させることによって、投資家と経営者の対話が促進され、企業価値の向上が期待されています。
実務担当者は好事例集を参考にしつつ、企業の環境や事業の活動状況をわかりやすく反映した記述情報の拡充に取組むことが望まれます。

執筆陣紹介

仰星監査法人

仰星監査法人は、公認会計士を中心とした約170名の人員が所属する中堅監査法人です。全国に4事務所(東京、大阪、名古屋、北陸)2オフィス(札幌、福岡)を展開しており、監査・保証業務、株式上場(IPO)支援業務、ファイナンシャルアドバイザリーサービス、パブリック関連業務、コンサルティングサービス、国際・IFRS関連業務、経営革新等認定支援機関関連業務などのサービスを提供。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。